おおむら亭でちゃんぽんを食べた一行(2名)。この日のメイン行事の一つであるくろがね線へと向かいます。
私は特に貨物に興味があるワケでもないですが、くろがね線に関しては別格。
ホント、どこをどう切り取ってもカッコよさしかなくて大好きなのです。
カッコいいポイント1:そもそも名前と歴史がカッコいい
くろがね線は、正式名称を「日本製鉄 九州製鉄所くろがね線」といいます。
この記事を最初に書いた直後の2019年4月、商号変更により「新日本製鐵住金 八幡製鉄所」から現在の「日本製鉄 九州製鉄所」へ変更になっております。
旧・官営八幡製鐵所が1930年(昭和5年!)に開通させた、いわゆる企業専用線となります。日本史の授業でも扱われる、あの八幡製鐵所です。
当初は戸畑から八幡へ銑鉄(鉄鉱石を還元して取り出した鉄)を輸送。逆に八幡から戸畑へは、鉄の精錬過程で発生する鉱滓を、戸畑地区の埋め立て用に輸送していました。
開業時には「炭滓線」と呼ばれていましたが、鉱滓の輸送がほとんどない現在では(社員公募により)昭和47年以降「くろがね線」という愛称で親しまれています。
ちなみに現在では、製品になる前のコイルを主に輸送しているそうです。
カッコいいポイント2:待ってる間の風景もカッコいい
くろがね線は日鉄の2つの事業所を行き来する、完全に自社内で完結している専用線です。
その為、くろがね線にはダイヤという概念がありません。なんなら24時間走行しています。運が良ければ10分ほど待ったら来ることもあるし、運が悪いと2時間待っても来ない……なんてこともあります。
我々はこの歩道橋の上で待ちました。手っ取り早く、ちゃんぽんのおおむら亭から徒歩5分程度。
この辺りはくろがね線の上を道路橋が多く通るため、都合の良い場所で待つと良いでしょう。
カッコいいポイント3:車両と合わせれば更にカッコいい
「中々来ないねぇ」
とM隊員と他愛もない会話を挟みつつ、太公望のような気分を味わうこと約1時間。ふと、M隊員が「ん?」と目を凝らします。
「「あーーーーーっ!!!」」
と、慌ててシャッターを切ったのがコレですw
完全に架線柱が車両に被っちゃってる、普通ならミスショット。なんですけど、それすらカッコよくないですか!?
カッコいいポイント4:その車両もカッコいい
くろがね線の車両は先頭を電気機関車が牽引し、ディーゼル機関車が後部補機につくというプッシュプル方式を取っています。
これまでプッシュプルの理由を気にしたこともなかったのですが(だってその時点でカッコいいもん)、調べてみると、貨車の部分にブレーキ管が通されていないため、制動力を得る緩急車として補機がついているそうです。平成も終わりそうな2019年、緩急車という概念すら滅多に見ることはありません。
戸畑での撮影を終え一行は満足……するはずもなく、次のポイントへ向かいました。
カッコいいポイント5:トンネルがカッコいい
一行が次に向かったのは、枝光駅から少し山手へ登った「望玄坂」。
そこにある宮田山トンネルの意匠が、また凝っててめちゃくちゃカッコいいのです。これは昭和初期の建築物ならではですね。現代では決して見ることはないでしょう。
戸畑側は更に派手なんですが、時間がなくて断念しました。
幕間:M隊員、またもすごい看板を見つける。
既に戸畑側での収獲があるので、望玄坂を登って軽く(と言っても坂はキツイ)イン活。
すると、またM隊員がいい笑顔でニヤニヤしてきます。なんだなんだ。
西鉄枝光線が残っているだと……。
参考までに、現在のGoogle航空写真と重ねるとこんな感じ。
1985年廃止の西鉄枝光線(黄)が残っているということは、並走する鹿児島本線(赤)も当然旧線時代です(1999年に現在線に切り替えられ、スペースワールド駅が開業しました)。
こんな看板、よく今まで残ってたなぁ。
カッコいいポイント6:鉄橋がカッコいい
望玄坂の復路を下っていたら、またもやって来やがりました。
キツイ坂道を(デジイチを持っているので安全面に最大限の配慮をしつつ)全力ダッシュ!!!
逆光だし架線ダダ被りですけど、鉄橋と背景の高炉を含めた構図が如何にも工業都市って感じでカッコよくないですか? 浪漫しかないよね……。
鉄橋の下に回ると、新旧の見比べもできます。なんでリベットってこんなカッコいいんだろうなぁ……。
まとめ:くろがね線はカッコいい
120%の成果を得られて大満足の一日でありました。
M隊員、有意義な一日をありがとうございました。
なお、スペースワールド駅からの帰りの電車で、走ってるくろがね線をまた見ました。どんだけ運が良かったんや。
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