しばらく関東旅行の話題が続いたので、今回は御来屋さんの地元の話。
私の生まれ故郷、山口県山陽小野田市には「徳利窯」という史跡があるんですが、ご存知ですか?
そこで「知ってる」って言われても困るんですが。なんせドマイナーだし、地元民でも現物を見たことある人、少ないんじゃないかと言うような代物なので。
徳利窯と言っても、徳利を作る窯のことではありません。
徳利窯って一体何なのか
旧小野田セメント株式会社が明治16年(1883年)に建造した最初のセメント焼成用の竪窯のひとつで、明治30年頃に焼成容量増加を目的として一部改造された。
山陽小野田市Webサイトより引用
焼成部分と煙突部分からなる煉瓦構造物で、高さは、焚口底部より約18mである。
わが国に完存する唯一のセメント焼成用竪窯として、近代窯業史上、高い価値があり、西日本における建設事業の近代化を支えた旧小野田セメント製造株式会社の中心的施設として重要である。
徳利窯はセメント製造工程のうち《焼成》を担当する窯で、石灰と粘土を混合させた原料を焼き「クリンカ」と呼ばれる塊を作るもの。
このクリンカは品質が不均一であるため選別し、良質なものを粉砕機にかけ、粉にしたものを木樽に詰めて販売していました。
2004年に国の重要文化財に指定、2017年には未来技術遺産に登録されております。日本のセメント産業を語る上においては欠かせない存在です。
徳利窯自体は社会科の授業で使う「わたしたちのおのだ」という副読本にも載ってるし、上記の説明も小学生向けにわかりやすく書かれているので、小野田で育ったなら大半の人は名前は知ってると思います。
小野田でも北側の小学校出身の私は現物を見たことすらありませんでした。小野田小や須恵小出身の人だと授業で見学したことがあるかもしれませんが。そっちに知人がいないのでわからん。
小野田にはセメントを詰めていた木樽をモチーフにした「せめんだる」という銘菓もあるんですが、まぁドマイナーですよねー……。
ちなみに「せめんだる」を長らく製造していた「菓子舗つねまつ」さんは2022年にお店を畳んでしまいましたが、その後2024年に「極みの食パン 安都佐」さんが復刻販売を開始しています。
徳利窯への行き方
ということで、アラサーになって初めて徳利窯の現物を見てきました。Ingressついでですが。
開放時間は9:00~16:00、年中無休・料金無料・予約不要! 太っ腹!
工場のすぐ外に見学者専用の駐車場もあり、工場内には立ち入らないため(恐らくですが)守衛さんに声をかける必要もありません。シャイな人でも安心!
私がテンション上がったのがココ。川でも何でもない場所に橋が架けられておりますが
専用線跡~~~~~。
手元の資料によると1986年2月廃止とのこと。低い所に橋が架かっているので、廃止後それなりに経過してから架けられたもののようです。
というか元々の見学者通路ってどうなってたんだ。何度でも言いますが、小野田生まれ小野田育ちなのに一度も来たことがないからわからないw
工場内を通ってたのかなぁ。
徳利窯、意外と小さいぞ!
これがその徳利窯。
「あ、意外と小さいんだな?」が第一印象です。
正確な高さは17.8m。ガンダム(RX-78-2)が18.0mなので、以前お台場にいたガンダムくらいのサイズ感と言えば、東京の方には伝わりやすいかもしれません。
なお、現在お台場にいるユニコーンガンダムは21.7m。ユニコーンよりもおおよそ家1軒分小さいです。そう考えるとだいぶ小さいな!
徳利窯が使われた期間そのものはごく短く、大正初期には現在でも主流の回転窯が登場。徳利窯はこの1基を残して姿を消します。
日本初の民間セメント製造会社である「セメント製造会社」(まんまだな)は小野田セメントと社名を変えたり合併を繰り返しながら、現在は国内最大シェアの太平洋セメントの一部に組み込まれています。
因みに国内セメント販売量の第2位は宇部三菱セメントだそうです。宇部小野田に1位2位がいるんだったら、コンクリート舗装の道が多いワケだ。メンテ大変そうだけど。
小野田といえばセメントです。それ以外は特に何もないです!
特に観光地でも何でもない、普通未満の田舎です……。
山陽小野田市に(数少ない)連作ミッション作った!
Ingressの6連ミッション「おいでませセメントの町」を2024年7月に制作いたしました!
Mission ViewerおよびBannergressのサイトより内容をご確認のうえ、プレイしていただけると幸せます。
南小野田駅よりスタート。セメント町や小野田セメントの関連施設をめぐる、小野田セメントぶち盛りです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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