前回の博物館動物園駅と順番が前後するのですが、2019年1月26日は千葉方面の鉄道を色々乗り回してきました。
乗ってみてわかったことは、千葉の鉄道は濃い。
リアルにシムシティ! 山万ユーカリが丘線
この日同行した友人のM氏と合流して最初に目指したのは、佐倉市の山万ユーカリが丘線。
ゆりかもめや神戸のポートライナーと同じく、ゴムタイヤで走るAGT(≒新交通システム)です。
このユーカリが丘という団地は、全体が「山万」という不動産会社の“都市計画”とも言うべき空間であり、この路線を含め宅地・ショッピングモール・老人ホームや保育園など、全て山万のグループが運営しています。
また、宅地内の分譲軒数は毎年一定に決められており、様々な世代が分散して居住するような配慮もされている、らしい(以上、Wikipediaを参考にしました)。
私の実家がある団地はその地区では古いほう。小高い丘の上にあるからか高齢者が手放していくらしく、近年は売物件が多く見られるようになりました。そういう所はおそらく、全国各地に山ほどあると思います。
ユーカリが丘はライフスタイルの変遷に合わせ、同団地内で住み替えを行う場合、山万がもとの自宅を査定額の100%で買い取って大幅にリノベーションして再販するという事業も手がけています。
山万のそういった数十年を見据えた都市づくりには実際、多くの視察があるようです。何よりこれらを一民間企業が全部一手にやってるってすごくないですか。
どこかのBlogに「シムシティみたいだ」と書かれていましたが、こういう所なら素直に住んでみたいです。
閑話休題。このユーカリが丘線も勿論、山万が手がけています。純民間資本のAGTは日本でも極めて珍しい。ホントなんなの山万。
団地の中をのんびりと最高速度55km/hほどで走り、始発のユーカリが丘駅から15分足らずで一周します。
この日は保守工事で10:01~16:02発までが運休となるため、40分ほどの滞在となりました。それでも二周できましたw
3分完乗! 芝山鉄道線
ユーカリが丘から一路成田へ。京成成田で乗り換えて、次に乗車したのは芝山鉄道線。
区間は東成田~芝山千代田の1駅のみ。普通鉄道としては日本一短い、営業距離わずか2.2kmの路線です。小野田線本山支線(2.3km)より短い。
ほぼ全線が成田空港の敷地内にあり、車窓からは航空機の姿が。離着陸の様子もすぐ横で眺めることができます。
東成田から長いトンネルを経て、わずか3分で完乗。一応延伸の計画自体はあるらしいのですが、実現しないまま今に至るのだとか。
本数もあまり多くないし、次にやりたいこともあったのでそのまま折り返します。
仕事で当地を訪れたことのあるM氏曰く
「駅の外に埴輪がいっぱいあった」「とにかく埴輪推しだった」そうです。
昭和に取り残された空間!? 東成田駅
芝山鉄道線に乗ったからには、東成田駅は欠かすことができません。
何故なら!
一部では有名な話ですが、ここがかつての成田空港駅だったから。
1978年に開業。当時は成田新幹線計画があり、空港のターミナルビルからは離れていますがこの駅が「成田空港駅」を名乗っていました。
その後新幹線の計画が白紙となり、その設備を利用した空港アクセス線が開業した1991年に、現在の「東成田駅」に変更。
特急とスカイライナーが停車していた旧1・2番線は閉鎖され、そちら側の設備については駅名変更直前の状態のまま放置されています。
地上も時が止まっていた
地上の元々は広く、多くの観光客で賑わったであろうコンコースも半分以上が閉鎖され、先の1・2番のりばに通じるはずの入口も封印状態。
↑の写真は手を伸ばして、(目線よりだいぶ高い場所にあり、直接は中の様子を伺えない)柵の間から撮ってます。何が撮れているのか、画面を見るまでわからない。
色んな意味でフォトジェニックな東成田駅
東成田駅から、現在の空港アクセス駅である「空港第2ビル駅」へは連絡通路を利用して徒歩で行き来が可能です。これも一部には有名ですが、それが↓の写真。
東成田側から見て100mほど歩くと左折しますが、残りの400mひたすら直進。
関門トンネル人道もビックリな無機質な空間を、ひたすら歩くことになります。人気もほとんどなく、携帯の電波も通じない。おっかなびっくりスポットです。
ゆっくり歩きながら撮影などしていると、先をどんどん駆けていたM氏の愛息が
「おかあさーん、おとはちゃーん(仮)、おなかすいた~~~~~~!!!」
と何度も叫んでくるw
既に正午前。 ごめんね! おばちゃんもお腹空いてる! ごめんね!!
※この後、成田空港内の飛行機が見えるお店でお昼にしました。
浪漫しかない! 千葉都市モノレール
空港でお昼を済ませた一行は、今度は成田線&総武線に乗って都賀駅へ。
そこでモノレールのホリデーフリーきっぷ(大人620円)を購入し、愛息くんも乗りたがっていたという千葉都市モノレールを乗り倒します。
総営業距離15.2kmは、懸垂式モノレールとしては世界一です。日本一短いの次は世界一長い。
都賀→千城台で折り返し→千葉駅→千葉みなとで折り返し→県庁前で折り返し→千葉駅
というルートで完乗です。
懸垂式モノレールは浪漫だ。おばちゃんが一番乗りたがってたなんて言えない。
同路線で主に運用されている1000形は、6歳の愛息くんでは僅かに視界の高さが足りず前面展望が望めませんでした。
が、0形ではこの大展望。お子様はコレ、超テンション上がるんじゃないでしょうか。否、大人2名もハイテンションでした。
しかも運転台の床も一部ガラス張りになっており、下方の展望まであるという大サービス。高所恐怖症の方はご注意下さい。
高所恐怖症の場合、そもそも懸垂式モノレールに乗車すること自体が恐怖かもしれませんが。
懸垂式モノレールは浪漫だ!!!
ものすごくうるさいというわけでもないが、ありえないほど近い
無事完乗を終え、千葉駅に戻ってきた一行。そこで私は行っておきたい場所がありました。
そごうとセンシティの間の広場で、頭上の物凄く近い所をモノレールが通過するという情報を入手した御来屋さん。これは是非撮っておきたい。どれくらい近いのか。
胸を高鳴らせながら外に出たら暴風が吹き荒れてました。 なにこれ、ビル風?
台風に慣れている山口県民でも、こんな中で外には出ねえよ!というような暴風。
もはや気分はTMR。 こんな寒い時代に僕が何をどーこーできると言うのだ。
でもここまで来たからには撮りたい! 頭上を通っていくモノレール!
完全防備で立ち向かった写真が←です。
リアルに吹っ飛びそうになりました。モノレールじゃなくて、風で。室内から見守っていたM氏からは「音羽ちゃんめっちゃ揺れてた」と言われました。
室内から若干引きで撮ったほうが、その近さはわかりやすいと思います。
みんな平然と歩いてるけど、こんな近い所をモノレールが走ってて平気なんでしょうか。大迫力です。
この後、M氏とは解散。千葉をちょろっと楽しむ一日を終えました。
まとめ:千葉の鉄道は個性的
ここまで
- 一民間企業が手がける新交通システム
- たった一駅、日本一短い普通鉄道線
- 懸垂式モノレールは浪漫
と乗車しましたが、千葉にはほかにも
と、なんともアクが強い個性的な鉄道が揃っております。
この辺りもいずれ乗ってみたい。特に銚子は、宇部からやってきた電気機関車もおりますので……。
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