この投稿はGoogle+から移植し、WordPress向けに再構成したものです。
※この記事はIngress Advent Calendar 2017の3日目の記事です。
毎年錚々たるIngressコラム勢が執筆しているIAC。僭越ながら今年は私、御来屋も物書きの一端として参加することに致しました。どうぞよろしくお願い致します。
さて、先日発売された“ハンケたんの自伝”こと「ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険 グーグルアースからイングレス、そしてポケモンGOへ」はもうお読みになったでしょうか?
読んでない方は今すぐ読め、なんだったらポチれ──というレベルでオススメできる本です。
特に、こんな方にオススメします。
- 純粋にハンケたんの人物像が知りたい
- Google Earth(およびその前身たるKeyhole)を愛用している
- 地図を“読む”、なんだったらその地へ思い馳せるのが好きだ
- Ingressエージェントだ
- どちらかというとポータルとなっている物体自体のほうに興味がある
- ついでに、彼の対談相手ともなっている飯田和敏さんのファンだ
……つまりそれって私のことですけども!
彼の生い立ちからGoogle Earth、Field trip、そしてIngressやポケモンGOへの“超“拡張現実に到るまで深く頷き続ける。
少なくとも私にとってはそれだけ共感するところしかない、というほどの一冊でした。
いわゆる田舎で生まれ育った若者が抱く、都会への憧れ。
それをルーツとして、“人と人の関係、人から世界への繋がり”を求める過程で生まれたプロダクトの数々が世界に如何なる革命をもたらしたかは、この記事を読んでいる皆様には改めて語る必要もないでしょう。
こと、Ingressに関しては多量のページが割かれています。
この中で彼が、Ingressというゲームの“ゲーム性”のみを求めているわけではなく、寧ろゲームの勝敗よりも上述の“人と人の関係、人から世界への繋がり”を相当重視している──という事実は、全てのプレイヤーが覚えておくべきであると思います。
彼が位置情報ゲームを扱うにあたり、「人々を外に連れ出すにはどうすれば良いのだろう?」という発想がスタート地点になっているのは有名な話です。過度なネタバレは控えたいですが、少しだけ引用させてください。
エージェントたちには、バーチャルに遠隔地の情報を知るだけではなく、実際に足を使って、身のまわりのことを感じてもらいたいのです。
──同書、87pより
その認知や行動に、変化をもたらしたい。
バーチャルな空間を変化させるのではなく、現実をもっと心惹かれるものに、もっとミステリアスに変化させたいのです。
同書の中では、ポータルがもたらす「こんなところにこんなものがあったのか」という発見が、ゲームとしてのレベルのみならず人間としても次のステップの後押しとなる──といった事が書かれています(表現は変えました)。
私事になりますが、私が廃線などの“旧いモノ”が好きな理由は、「誰かが語り継がなければ、その話を誰も残そうとしなければ、それは永遠に忘れられる存在となってしまう」からです。
CFがどうこうよりポータルそのものに惹かれる理由も、きっとその辺り。
そしてそれが彼の思想に、ものの見事マッチしてしまった。私がIngressにハマり続けている理由はここにあるのだと思います。
忘れられかけた存在は、もしかしたら貴方の近くにもあるかもしれません。そういった意味で、本日の表題は「Advent Around」としました。
写真は、山口県周南市鹿野にある「二所山田神社」。
私が今まで訪れたポータルの中で、最も印象に残っている場所です。
境内に足を踏み入れた瞬間の、凛と張り詰めた空気が忘れられません。
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